図表作成・論文執筆・発表準備におすすめのツール10選

図表作成・論文執筆・発表準備におすすめのツール10選

当社では、研究活動を 研究プロセスA〜G に整理しています。 本ページでは、そのうち「F:図表作成・論文執筆・発表準備」に関するツールを紹介します。

A:着想・構想 / B:文献調査 / C:実験設計 / D:データ取得 / E:データ解析・画像・信号処理 / F:図表・論文 / G:生体計測

以下の「参考」をクリックすると、研究段階分類表が表示されます。

参考:研究段階分類表

コード 研究プロセス段階 説明
A 研究テーマの着想・構想 アイデア発想・研究テーマ形成
B 文献調査・レビュー設計 情報収集・関連研究の整理
C 実験設計・統計計画 条件設計・試験計画の策定
D 実験・データ取得・可視化 実測・観測・モデリング
E データ解析・画像・信号処理 数値解析・AI処理・シミュレーション
F 図表作成・論文執筆・発表準備 可視化・成果発表・図表作成
G 生体計測・データ収集 EEG・EMG・心拍などの実測系機器、データ収集

図表作成・論文執筆・発表準備に役立つツールガイド(10選)

1. はじめに:研究成果を「伝わる形」に仕上げる図表・論文・発表準備

研究の信頼性とインパクトは、データを「どう見せるか・どう伝えるか」に大きく左右されます。

図表作成・論文執筆・学会発表用スライドの準備は、研究全体を成果としてまとめるための重要な工程です。

本ページでは、大学・研究機関や企業の研究開発部門での活用を想定しながら、 図表・文献・テキストを効率よくまとめるためのツールを整理してご紹介します。

図表・論文作成・発表準備のイメージ画像

2. 課題とニーズ:図表・論文・発表準備でありがちな悩み

  • 図・表・本文・参考文献の体裁調整に時間がかかり、本来の考察に使える時間が削られてしまう。
  • SRや文献管理をスプレッドシートや手作業で行っており、抜け漏れや再現性に不安が残る。
  • ジャーナルや学会ごとに形式が異なり、テンプレート管理や共同執筆者とのすり合わせが煩雑になりがち。

3. 解決アプローチ:導入しやすい「図表・論文ツール」の共通点

  • SR支援・文献管理・統計解析・図表作成など、ワークフロー全体を意識したツール選定ができる。
  • GUI中心でテンプレートやスタイルが充実しており、学生や共同研究者への展開・指導もしやすい。
  • クラウド連携や他ツールとの入出力が柔軟で、研究用途だけでなく授業・演習や企業利用にも展開しやすい。

こうした特徴を備えたツールを組み合わせることで、限られた時間の中でも再現性を保ちつつ、読み手に伝わる図表・論文・発表資料を効率よく準備できます。

※製品名が未確定でも構いません。
図表作成・論文執筆・発表準備のどの段階でお困りかを伺い、候補整理からお手伝いします。

図表作成・論文執筆・発表準備ツールの比較と選び方

図表作成・文献管理・統計解析・科学イラスト作成など、研究成果を「伝わる形」に仕上げるための代表的な10製品を厳選し、比較しやすい一覧にまとめました。

特に「コスト」「導入のしやすさ」「精度」「拡張性」「AI連携性」「研究・産業・教育での使いやすさ」といった重要な観点で整理しているため、 図表作成や論文執筆、学会発表準備に適したツールを選ぶ際の参考にご活用ください。

ツール比較サマリー(図表・論文・発表準備での目安)
◎:特に強みあり / ○:標準〜十分 / △:用途により有効度が変化(研究テーマや環境によって最適なツールは異なります)

製品名 用途・ジャンル コスト 導入容易性 精度 拡張性 AI連携性 研究適合 産業適合 一般教育向け 研究教育向け
Covidence レビュー支援(SRプロセス支援) 強み 強み △~○ 強み
ReadCube Papers 文献管理(PDF+引用管理) 強み 強み 強み
EndNote 文献管理(引用管理標準) 限定的 強み 強み
Exploratory データ分析・可視化 強み 強み 強み 強み 強み
GraphPad Prism 統計解析・グラフ作成 強み 強み 強み 強み 強み
BioRender 科学イラスト作成 強み 強み 強み 強み 強み
EdrawMax 汎用ダイアグラム/図表作成 強み 強み 強み
MathType 数式編集・論文執筆支援 強み 限定的 強み 強み
SnapGene クローニング設計・可視化 強み 強み 強み 強み 強み
Geneious Prime 分子生物学・NGS解析 強み 強み 限定的 強み 強み △~○ 強み

※◎:その観点で特に強みがある / ○:標準〜十分な性能・機能がある / △:用途・前提条件によって有効度が変わる目安です。
※AI連携について:EndNote(Manuscript Matcherによる投稿候補推薦など限定的)、MathType(AI機能は限定的:自動数式変換など補助的)、Geneious Prime(機械学習要素あり、外部連携は限定的)

※どのツールが適しているか迷われる場合は、 お問い合わせフォーム からご相談いただけます。

表現目的 × 用途範囲 4象限ナビ

図やスライドの「見せ方」と、想定している発表形態に近いマスをクリックすると、対応ツールの詳細へ移動できます。
※一部のツールは複数の象限にまたがって活用できるため、複数マスに記載しています。

個人プレゼン中心
(ゼミ発表・小規模ミーティング・講義など)
共同発表・論文中心
(共著論文・学会発表・プロジェクト報告など)
ビジュアル志向
(図解・レイアウト・見せ方重視)

スライド・図解で伝えやすくしたい

論文・学会用の図表・模式図を整えたい

構造・数式志向
(文献・構造化・数式・書式重視)

講義資料・個人の執筆環境を整えたい

共著論文・SR・大型プロジェクトで整合性を取りたい

どの象限にも当てはまりにくい場合や、複数ツールの組み合わせでお悩みの場合は、 個別相談 も承っています。

図表作成・論文執筆・発表準備を支えるツール群 (文献管理・統計・図解・数式編集など)

文献管理・レビュー支援から、統計解析・図解・数式編集まで、 研究成果を「伝わる形」にまとめるための代表的なツールをまとめました。 個人での論文執筆から、共同研究・大学教育・企業R&Dまでを想定した構成です。

Covidence(システマティックレビュー支援)

システマティックレビューやスコーピングレビューに特化したプラットフォーム。文献インポートからスクリーニング、データ抽出までのプロセスを一元管理し、大人数での共同作業を効率化します。

システマティックレビュー 文献スクリーニング データ抽出

特長

  • タイトル・抄録/全文レベルのスクリーニングフローを一元管理
  • 重複文献の除去や、複数査読者による判定結果の集約を支援
  • データ抽出・バイアス評価の結果を、統合解析や図表作成へ引き渡しやすい形で整理

代表的な活用シーン

  • システマティックレビュー/スコーピングレビューの文献管理と進捗管理
  • 学会ガイドライン作成に向けた文献整理・エビデンス集約
  • メタ解析ソフトや統計ツールに渡す前のデータ整理

ReadCube Papers(クラウド文献管理)

PDFリーダーと文献管理機能を統合したクラウド型リファレンスマネージャです。 ハイライトやメモを付けた論文をクラウドで同期し、どの端末からでも参照できます。

文献管理 PDF注釈 クラウド同期

特長

  • PDFを読みながらハイライト・コメントを付け、そのまま文献管理に反映
  • クラウド同期により、複数端末・ラボメンバーとの共有が容易
  • 引用情報の自動取得・整理により、執筆時の参考文献リスト作成を効率化

代表的な活用シーン

  • 卒論・修論・博士論文に向けた文献整理とノート管理
  • 研究室内での「共通文献ライブラリ」の構築・共有
  • 出張・在宅環境からの論文閲覧・執筆作業

EndNote(文献管理・引用支援)

文献管理と引用整形の定番ツール。Word連携で論文執筆を支援し、投稿先ジャーナルに合わせたスタイル調整を自動化できます。

文献管理 引用スタイル自動整形 Word連携

特長

  • 大量の文献情報をフィールドごとに整理し、検索・絞り込みが容易
  • Wordアドインから引用を挿入すると、参考文献リストを自動生成
  • ジャーナルのスタイルに応じて書式をワンクリックで切替え

代表的な活用シーン

  • 卒論・修論・博士論文など、大規模な参考文献リストを持つ論文執筆
  • ジャーナル投稿用原稿のレイアウト調整・スタイル変更
  • 共同執筆プロジェクトでの書誌情報の共有・一元管理

GraphPad Prism(統計解析・グラフ)

生命科学分野の統計解析とグラフ作成に特化したソフト。統計処理と図作成を一体的に扱え、論文や学会発表に適した図表を簡単に作成できます。

生命科学統計 グラフ作成 実験データ解析

特長

  • t検定・ANOVA・回帰など生命科学でよく使う手法をGUIで操作
  • 論文投稿・学会発表向けの体裁に整ったグラフを作成可能
  • データ変更に応じてグラフが自動更新され、再解析・再作図が容易

代表的な活用シーン

  • 卒論・修論・論文投稿用の図表作成
  • 用量反応曲線や時間経過データの解析と可視化
  • 学会スライド・ポスター用グラフの作成・再利用

BioRender(科学イラスト・模式図作成)

ブラウザ上で生命科学・医学系の図表や模式図を作成できるサービス。専門アイコンやテンプレートを活用し、論文やポスター用の図を短時間で整えられます。

科学イラスト 模式図 ポスター・スライド

特長

  • 細胞・分子・器官など、生命科学向けのアイコン・テンプレートを豊富に用意
  • ドラッグ&ドロップ操作で、パスウェイ図や概念図を素早く作成
  • 作成した図を高解像度で出力し、論文・ポスター・スライドに利用可能

代表的な活用シーン

  • 論文のFigure用スキーム図・模式図の作成
  • 学会ポスター・口頭発表スライドのビジュアル作成
  • 研究内容を分かりやすく説明する教育用図版の作成

EdrawMax(汎用ダイアグラム・フロー図)

フローチャートやネットワーク図など多様なダイアグラムを作成可能。実験手順やシステム構成を図解し、発表資料に載せやすい形で整理・共有できます。

フロー図 ネットワーク図 業務プロセス図

特長

  • 豊富なテンプレートとシェイプで、フロー図・構成図・タイムラインなどを作成
  • ドラッグ&ドロップ中心の操作で、PowerPoint用の図版を短時間で準備
  • 画像やPDFなど、発表資料に組み込みやすい形式で出力可能

代表的な活用シーン

  • 実験フローやデータ処理パイプラインの図解
  • システム構成図・ネットワーク構成図の作成
  • 学会スライド・内部説明資料での概念図作成

Exploratory(データ分析・可視化ツール)

コード不要で前処理・統計解析・可視化まで対応するデータ分析環境。再現性のあるワークフローを構築し、論文や報告書に必要な図表をまとめて作成できます。

GUIデータ分析 統計解析・可視化 レポート・ダッシュボード

特長

  • ノーコードで前処理から解析・可視化まで一通り対応
  • 解析手順をプロジェクト単位で保存し、再解析や手順の共有が容易
  • 図表をまとめたレポートやダッシュボードとして出力可能

代表的な活用シーン

  • 卒論・修論のデータ解析と図表作成・再解析
  • 共同研究メンバーとの解析手順・結果の共有
  • 企業内レポート・ダッシュボードとしての定期的な可視化

MathType(数式編集)

WordやPowerPointと連携できる数式エディタ。 複雑な数式を見やすいレイアウトで入力・編集し、論文・レポート・スライドに組み込めます。LeTeXとの互換性や手書き入力にも対応。研究教育で幅広く活用可能。

数式入力 Office連携 レポート・スライド

特長

  • 積分・行列・多重分数など複雑な数式もGUI操作で入力可能
  • Word・PowerPointと連携し、そのまま編集・再利用が可能
  • LaTeXとの連携機能を活かして、既存数式の再利用にも対応

代表的な活用シーン

  • 数式を多用する論文・レポート・解説資料の作成
  • 講義用スライドや演習問題資料の数式レイアウト整形
  • LaTeXとOfficeを併用する研究・教育現場での数式編集

SnapGene(分子生物学・クローニング設計)

クローニング計画やプラスミドマップ作成を支援する分子生物学向けソフト。 実験計画を視覚的に整理し、そのまま論文やスライドに掲載可能な図として出力できます。

プラスミドマップ クローニング設計 実験計画図

特長

  • DNA配列とプラスミドマップ連動で、クローニング計画を視覚設計
  • PCR・制限酵素処理などの操作手順をシミュレーション
  • プラスミドマップを画像出力し、論文・ポスターに利用可能

代表的な活用シーン

  • クローニング手順の設計とラボ内共有
  • 論文・学会発表用のプラスミドマップ図の作成
  • 学生向けの実験手順・教材図版の作成

Geneious Prime(統合分子生物学解析)

配列解析・プライマー設計・NGS解析を統合的に扱えるプラットフォーム。データ管理から図表作成まで一つの環境で完結し、論文執筆に役立ちます。

配列解析 プライマー設計 NGS解析

特長

  • DNA・タンパク質配列解析からクローン設計までを統合環境で実行
  • NGSデータのアライメントやバリアント解析に対応
  • 図表として利用しやすいビューを備え、論文・発表資料への転用が容易

代表的な活用シーン

  • プライマー設計・ベクター構築・クローニング計画
  • NGSデータ解析と配列データベース管理
  • 研究室内の解析プロトコル標準化と教育用デモ

図表作成・論文執筆・発表準備ツール選定のご相談

このページでは、図表作成・文献管理・レビュー支援・モーション/オミクス解析など、 研究成果をまとめるための代表的なツールをご紹介しました。
ただし、最適な組み合わせや導入ステップは、研究テーマ・データの種類・既存環境によって異なります。

「どのツールから検討すべきか知りたい」「既存ソフトとの役割分担が気になる」など、 選定段階でのお悩みがあれば、初期検討の段階でもお気軽にご相談ください

当社のサポート内容
  • 研究プロセスに沿ったツール候補の整理
  • 既存ツールとの役割分担や導入順序のご提案
  • ライセンス形態やご予算に応じた導入プランの検討

※具体的な製品名が決まっていない段階でも構いません。
研究分野やデータの種類・ご利用イメージをお知らせいただければ、候補整理からお手伝いします。


まだ解析ツールの選定やワークフロー構築の段階でお悩みの場合は、関連ツールのまとめページもあわせてご覧ください。

データ解析・画像・信号処理向けツール紹介ページを見る